形成外科とは、“体表面の傷や変形を機能的により正常に、形態的により美しく治すこと”を追求した診療科です。
私たちには、生まれつきであったり、生活をしていく中のさまざまな出来事(事故や病気、加齢など)の結果として外観的な変形が生じてしまったりすることがあります。
それは直接命にかかわる事ではなかったとしても、機能的な問題や心の問題にも発展し、その後の生活に影響を及ぼすことがあります。
当院では、患者様の話をよく聞き、お一人お一人に合う治療法を選択し、皆様の日常生活の質(QOL)を向上させるお手伝いをさせて頂きます。

眼の周りの形成外科

眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)

眼瞼下垂症」のページをご覧ください。

眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)

眼瞼内反症とは、瞼縁が眼球側に向かい、瞼縁の皮膚が角膜を刺激している状態です。眼瞼内反症が原因の涙が多く出る、異物感、目やになどの角膜刺激症状は、手術で改善します。
先天性眼瞼内反症と老人性眼瞼内反症があり、それぞれ原因、手術方法が異なります。

先天性眼瞼内反症

生まれたときから眼瞼が内反しています。成長につれて改善傾向がありますが、小学校高学年になっても症状が緩和されない場合には手術を考慮します。過剰な皮膚と眼輪筋を切除して内反を矯正します。

老人性眼瞼内反症

加齢に伴うまぶたの緊張低下および、眼輪筋の萎縮が原因です。まつげを抜くと一時的に症状は改善しますが、まつげが生えると再発します。目尻を約1cm切開し、下まぶたの外側端の瞼坂を外方へ引っ張り骨に縫いつけます。目立つ傷跡は残りません。

眼瞼外反症(がんけんがいはんしょう)

眼瞼外反症とは、主に下眼瞼が下側に引かれたり、外側にめくれたりする状態になることをいいます。
加齢によるものの他、顔面神経麻痺に伴うものや外傷性の瘢痕が原因となることが多いです。
まぶたが閉じにくくため眼が乾燥しやすく、角膜に傷がつきます。また結膜が露出して見えるため整容上の問題もあります。

治療方法

下眼瞼にある軟骨を短縮して引き締めたり、必要に応じて皮膚移植を行います。

睫毛内反症(しょうもうないはんしょう)

眼瞼内反症とは、いわゆる「逆まつげ」のことです。
まつげが眼球に接触し、慢性的に結膜炎の症状を抱えている方は、手術によりまつげの向きを変えることが必要となります。

眼瞼腫瘍(がんけんしゅしょう)・再建

眼の周りの腫瘍を切除すると、皮膚がひきつれたり、まぶたが眼球から離れて「あっかんべー」の状態になることがあります。目の周りの手術の際は皮弁形成術という方法で、皮膚欠損部周囲の皮膚を移動して皮膚欠損部周囲に無理な力がかからないように被覆します。

眼瞼痙攣(がんけんけいれん)
・顔面痙攣(がんめんけいれん)ボトックス(保険適応)

眼瞼痙攣は、下眼瞼部のピクピク感から始まり、次第に上眼瞼部に進行し重症例では開瞼障害がおこります。
目の周囲だけでなく、だんだん口元へと広がり徐々にあごの下の筋肉も痙攣するようになります。進行は緩徐ですが、重症例では一日中、ときには寝ていても痙攣がおこるようになり、自然軽快はまれだといわれています。眼瞼痙攣患者数は、日本では30万~50万人以上いると推定され、発症率は40~70歳代の中高齢者で高く、また女性は男性の2.5倍かかりやすいといわれています。

治療方法

緊張している筋肉に緊張をやわらげる成分(ボツリヌストキシン)を注射することで痙攣の原因になっている神経の働きを抑え、緊張しすぎている筋肉を緩めます。ボツリヌス療法は日本では2001年に認可され、現在眼瞼痙攣・顔面痙攣・痙性斜頸の3つの病気の治療法として保険適用されています。

色素性母斑 皮膚腫瘍

“皮膚のできもの”といっても、ほくろ・粉瘤・脂肪腫・脂漏性角化症・軟線維腫・汗管腫など、医学的にはたくさんの名前がついています。
上述のものは良性のできものですが、ときに基底細胞癌、扁平上皮癌、悪性黒色腫など悪性のできものであることもあります。「じくじくが治らない」「急に大きくなってきた」「形がいびつ」「出血する」等の悪性を疑う症状がある場合は、一度医師の診断を受けられることをお勧めします。
現時点で、たとえ悪性でなくても、徐々に大きくなってくるものや、将来悪性化する可能性があるものなどは、保険治療の適応となりますので、気になるほくろやできものが出来た場合はご相談ください。

治療方法

大きさや部位、これまでの経過を見ながら摘出・切除手術を行います。顔面、眼の周りなどは傷跡が目立たないように、また皮膚のひきつれが起こらないように皮弁形成術という方法を用いることもあります。ご希望に応じてレーザーにて切除(保険適応外)の治療を選択します。

摘出・切除手術とレーザー手術

摘出手術、切除手術

一番目立ちにくい方向を考えて切開のデザインを行った後、できものの周囲に部分麻酔を行いできものを切り取ります。髪の毛ほどの細い溶ける糸を使用し、皮膚の下で縫合、さらに皮膚をナイロン糸にて縫合します。抜糸は5~7日後に行います。この方法は、細い線状の傷が残りますが、テーピングや、シリコンジェルシートによる圧迫を行うことでより目立たなく、早く傷が落ち着くようにします。

レーザー手術(炭酸ガスレーザー)(自費診療)

腫瘍の周囲に麻酔をうった後、炭酸ガスレーザーを用いてほくろを蒸散させていきます。ほくろは皮膚の深部にまで達することが多いため、レーザーで蒸散すると皮膚に臼状の穴が空いたようになります。
ほくろの大きさにもよりますが、大抵の場合2~3週ほどでふさがります。2~3か月は赤茶色になり、皮膚が弱いため紫外線から皮膚を守る目的で、テープを張って保護をしてもらいます。切除法と違って細い線状の傷が残らないこと、抜糸がいらないことがメリットです。ただ、この方法でも全く傷が残らないわけではありません。にきび跡や、水ぼうそう跡のような軽いへこみが残るとイメージしてください。

瘢痕拘縮(傷のひきつれ)肥厚性瘢痕(傷の盛り上がり)ケロイド(傷がより大きく、より盛り上がるもの)

ひきつれを伴う傷に対しては、傷跡をきれいに切除した後、Z形成術、W形成術といった形成外科的な皮弁形成術を行い、縫縮し皮膚のひきつれを解除する手術を行います。その後もシリコンジェルシートによる圧迫を行い、ひきつれの再発がおこったり、傷跡が目立つ可能性が低くなる処置を行います。
ケロイドに関しては内服薬、シリコンジェルシート、ステロイドの局所注射などを組み合わせて治療をおこないます。手術が必要な場合は電子線治療ができる施設をご紹介します。

陥入爪、巻き爪

巻爪、陥入爪も症状がなければそのまま放置しても構いませんが、周囲の皮膚が赤くはれていたら早めに受診されることをお勧めします。
痛みで歩くのも辛く、早く治してしまいたいという方には、陥入爪手術をお勧めします。巻いている部分(通常2-3ミリ程度)のみを部分抜爪し、爪の基部の組織に対し部分的に爪を作らなくする処置を行います。麻酔が効いてから約10分で治療が終わります。術後の痛みは少なく、ほとんどの方が痛み止めを1回飲む程度で治ります。

多汗症・腋臭症(わきが)

メスを使わない多汗症治療として人気なのが、『ボトックス・ボツリヌストキシン注射』です。アポクリン汗腺や汗のもととなるエクリン汗腺の働きを衰えさせる効果のあるボツリヌストキシンを利用してニオイと汗量を軽減させる治療で注射を打ちます。効果は2週間頃から現れ始め、半年~1年程持続します。(個人差あり)効果が薄れてきたら、再度施術が必要ですが、繰り返し注射を行うことでアポクリン汗腺とエクリン汗腺が徐々に萎縮してくるといわれています。

小児形成外科

元気いっぱい、好奇心いっぱいのお子様にけがはつきものです。
お子様の外傷系のけがは何科を受診したらよいのか迷われる方も多いのではないかと思います。
汚れた環境でけがをしてしまった場合や、けがの場所がお顔や手など露出部位である場合などは、ぜひ形成外科での受診をお勧めいたします。
私たち形成外科医は特殊な方法で、また特殊な道具を用いて皮膚のけがを処置(縫合)する技術を習得しており、細かい傷でもきれいに治すことを得意とします。
お子様の気持ちに寄り添い、恐怖心を生み出すことがないよう保護者の方と治療方針をしっかり相談して、よりよい治療をいたします。形成外科は、大人だけの科と思わずお気軽にご相談ください。

お子様に多いけがとその治療法

擦過傷(すりきず) 道路や塀などにこすりつけることにより、
皮膚がすりむけた状態の創傷です。

皮膚の損傷自体は浅く、多くの場合縫合せずに治ります。しかし、創面に微細な土砂、ゴミなどが埋入し、治ったあとも皮膚のなかに残ってしまう場合があります。この状態を外傷性刺青といい、特にアスファルトなどの黒色の異物は治ったあとがかなり目立ちます。
これを防ぐためには受傷直後早期に創部の十分な洗浄とブラッシングを行い、細かな異物を除去しておくことが大切です。ご家庭でもできる処置ですが、形成外科では局所麻酔を打ってから処置を行うので家庭での処置よりも痛くなく、早くきれいに治ります。

咬傷(咬みきず ヒト咬傷、動物咬傷) ヒトや動物に咬まれた後に生じる創傷です。

歯に付着している雑菌が体内に押し込められることにより、受傷後の感染の頻度が最も高い創傷のひとつです。
咬傷治療の重点は感染回避におかれ、十分な洗浄、抗菌薬の投与、破傷風の予防注射などを行います。
歯牙による創口は小さいので、創を切開して拡大して処置を行う場合もあります。受傷時に閉創すると、創内に膿瘍(うみ)を形成することがあるため創部は縫合せず、適宜洗浄し開放創のままで治癒させていきます。
咬傷の場合、傷跡が目立つことが多いのが特徴です。この場合は時間をおいて、傷跡をきれいにする形成外科的手術を行います。

 

 

 

 

 

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